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昔々、そのまた昔の ことでした。
佐渡ヶ島の磯浜に貧乏なカニ君が住んでいました。
浜辺に出ては塩水をくみ、大きな釜で煮詰めて塩を作って暮らしていました。
さてある日のこと、いつものようにカニ君が浜辺に出てみるとなんと大きなニギリめしが一つころがっていました。
カニ君『こりゃあいいもんめっけたよ〜』
カニ君が拾って持って帰ろうとすると、山の上から見ていたサルが食べかけた柿の種を
一つ握って横っ飛びに飛んできました。
サル『おい、おまんの持ってるニギリめしと、おんのこの柿の種をくみっこしらだァ』
そういうとサルはニギリめしをおっ取ってムシャムシャと食ってしまいました。
カニ君は仕方なく柿の種をもって帰り庭の隅に植えて、毎日セッセと水をあげたり、肥やしをあげて
カニ君『はやく芽をだせ柿の種、出さんとハサミでほっちもうぞ!』
と、脅かしていました。
柿の種もほじくられてはかなわんと、小さい芽を出しました。
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