甲州の地口 ま・や行 

■地口集
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ま・や行 

 
馬糞の川流れ バラバラ

馬の飼料は藁とか野草など繊維質のものだから糞は粘着性が少ないため 水に触れるとたちまち組織が分離してバラバラになってしまう
川のほとりで草を食べていた馬が 悠然と川の流れの中に糞をひり落とすと馬糞は立ちどころにバラバラになって流れ下った 
(例) 『いやいやどうも今回の会合は馬糞の川流れで』

水口のどじょう よく集る 大勢集まる
どじょうは川から田へ水を引く水口に集まる習性がある そこに【ぶってえ】という川で雑魚を捕まえる竹製の道具を仕掛けると面白いほどよく捕れる
この水口にどじょうがよく集る様子を捉えた地口
(例) 『今日の集まりは水口のどじょうが予想されるからがんばって』

身延山と金毘羅さん 返さぬ気

日蓮宗総本山身延山久遠寺は甲斐の国南巨摩郡身延町にあり 金毘羅さんは四国讃岐にある有名な神社
ある時身延の人が讃岐まで金を借りに出かけたが断られた 断りの理由は【甲斐】と【讃岐】が語呂が悪いからだった 【甲斐讃岐】⇒【かいさぬき】
(例) 『あの人に金貸しても身延山と金毘羅さんだから止めたほうがいい』

百足の旅立ち 手間がかかる

足が100本あると言われる百足が旅立ちの時に全部の足に草鞋を履く時 全ての草鞋を履き終わるまでには相当な時間がかかって旅立ちが遅くなる

(例) 『あの人は百足の旅立ちだ』
『この仕事は百足の旅立ちだ』
モグラの穴に水  きりがない
モグラは地下に長い坑道を掘って あちこちに移動して地下の虫や根菜を求めて生きている この長さはちょっとやそっとなものではなくモグラ退治の方法として穴に水を注いでも奥が深いからきりがない

(例) 『あいつは大酒飲みでモグラの穴に水だ』
『この仕事は次から次にあってモグラの穴に水だ』

屋根屋のふんどし  他人の知徳や技術の優れているのを褒め称える(比喩)
男性のシンボルを隠すふんどし
屋根屋は高い所で作業をしているので 下から覗くとチラチラとふんどしが見える
(例) 『見上げたもんだ屋根屋のふんどし

か行 きい〜

甲州の地口集

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