甲州の地口 さ行 

■地口集
    /  /  /  /  /  / ま・や 
  

さ行 

 
座敷のチリ取り 内輪で済ます

昔 座敷の掃除は座敷ほうきで隅から隅まで掃き 清めて一ヶ所に集め チリ取りで取ったが 時にはチリ取りの代わりに手近にある団扇で用を足した【団扇で済ます】
(例) 『葬儀は座敷のチリ取りで済まそう』

尻に目薬 効き目がない
目に注さないと効能がない目薬 それを尻に注すのはトンチンカン
(例) 『あいつはいくら注意しても尻に目薬だ』

すえたぼた餅 手のつけようもない状態

すえたとは食物が腐って酸味が生じる状態
ボア餅は春彼岸に祖神に供える行事食で『牡丹餅』のことで保存性がないので少し気温が高いとすぐにすえる
食べたいのは山々だけど腹痛など起こす かと言って無闇に捨てられない
結局手がつけようがない
(例) 『あんな酔っ払っていたんじゃすえたぼた餅だ』

砂に小便 堪らない 我慢できない 堪え忍ぶことができない

砂だから水分を吸い込んでしまう
その砂に小便をしたら【溜まらない】
(例) 『あいつのやることは砂に小便でたまったもんじゃない』

善光寺普請  手間のかかる
甲府市善光寺は江戸時代に大火で消失 その後再建を図ったが30年もの月日がかかった
何かにつけて手間のかかる仕事や工事

底なしのバケツ    大酒飲み
底が壊れているといくら汲んでも切りがない
底なしだから 水は次々に漏れてしまう【底なし】
左利き・・・炭鉱などで石炭を掘る時 右手に槌を持ち 左手にはノミを持っていた ノミを持つ手=飲み手
(例】 『あいつは底なしのバケツだ』
『あいつは左利きだ』

底抜けの柄杓  救いようがない
水を汲み上げる柄杓 底が抜けていれば100万回掬っても汲み上げられない【掬いようがない】
か行  た行 

甲州の地口集

inserted by FC2 system