甲州の地口 か行 

■地口集
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か行 

 
蛙の尻尾 有りそうで無い

おたまじゃくしは蛙の子 立派な尻尾があるが成長して蛙になるといつの間にか尻尾がなくなっている
もともとあったからあるはずと調べても無い
(例) 『この頃どうも蛙の尻尾だ』

蛙の面に小便 知らん顔
蛙の顔に小便を飛ばすと驚いて逃げるかと思ったら 時ならぬ温かさを感じてか澄ました顔してビクともしない
(例) 『どうもあいつには何度も注意したけど 結局蛙の面に小便だった』

蟹の念仏(小言) いつも不平不満を嘆きながら小声でブツブツと言ったり 他人にぶちまけてる人

何かに驚いたりけ危険を感じたりするとブツブツと泡を吹いて防衛手段を講じる蟹を捉えた

(例) 『あいつは何かにつけて蟹の念仏だ』

寒中の蛙 考える

単なる語呂合わせ

義士の連判  意見が合う
義士とは播州赤穂の四十七士のこと
仇討ちに至るまでの義士たちの苦労は並大抵のものではなかった
お互いの忠誠を誓うために連判状になを連ね一糸乱れぬ行動があった
(例)
『あの人とあの人は義士の連判だ』
北の雷   着たなり
雷が北の方向でゴロゴロと鳴る 北鳴り
(例)
『あの人は北の雷でだらしない』

狐に馬   トンチンカンなことばかりする者(揶揄)
馬の背中に狐が乗っている絵が民話に描かれている
どうも様にならない

金魚のウンコ なかなか離れない

艶なる金魚のウンコは長々と繋がっていてなかなか尻から離れない

(例) 『あの二人は金魚のウンコだ』
金魚の切り身 世間のために役に立たない人

見た目は綺麗 可愛いが食用とされない 煮ても焼いても食べれない
(例) 『あいつはどうにもならない馬鹿者で金魚の切り身だ』

杭にふんどし なかなか離れない

6尺(約1.8m)のサラシの布で股の部分を隠した男性用下着を川で洗濯していて流してしまうと川の中に打ち込まれた杭に引っかかって絡みつきなかなか離れない
(例) 『あの夫婦はよく喧嘩もするが杭にふんどしだ』

乞食のお粥 口数ばかり多くて実行力のない人

水粥は水で炊き上げても米粒は数える程しかない 湯ばかりで粥とはほど遠い
(例)
乞食のお粥で言う(湯)ばかり』

乞食の嫁さん 降りそうで降らない

昭和初期 花嫁さん特にお大尽の家の嫁さんでないと【振り袖】は着れず せいぜい【留袖】が普通
【留袖】は長い袖がないので振っても優雅な姿は望めない【振り袖振らぬ】
(例) 『お天気が続いて困ったもんだ 今日もどうやら乞食の嫁さんだ』』

こんにゃくのお化け 捉えようがない

ある村のわがままな男がカミさんが折角作ったこんにゃく料理を「こんなフラフラしたもんが食えるか!」と怒鳴りながら外へ放り出した その晩夢にこんにゃくが出てきて男が驚いてこんにゃくに向かって飛びかかったが どう掴んでも掴みようがなくヘトヘトになり こんにゃくに不敬を詫びた
(例) 『どうもお前の話はこんにゃくのお化けで掴みようがない』

た行 は行

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