逆引き甲州弁辞典  あ行 

■あ行
  あ〜 / い〜 / う〜 / え〜 / お〜 

あ〜 

 
ああでもないこうでもないと屁理屈をこねること ⇒ ああめったこおめった

挨拶 ⇒ おじんぎ
  ◆挨拶する=ものをいう   
(例)おじんぎにいく (挨拶に行く)

青白い⇒ あおっちれえ
  〔関連〕あおぞんびょ〜(青い顔した子)
(例)あおっちれえかお (青白い顔) 

相手をする ⇒ ええしろう
  *平常の応対でなく特に喧嘩の相手をするときなど。 
(例)あいたあええしらっちょ(あいつは相手にするな)

間 ⇒ あいさ、ええさ
  *特に物と物の間。時間的な時は『あい』とも言う   
 (例)本のあいさにはさんどけし(本の間にはさんでおきな)

挨拶する ⇒ ものをいう
 (例)たいしょうはいっさらものをいわん(あの人は全然挨拶しない)

青い顔をした子を罵っていう ⇒ あおぞんびょ〜

仰向いて ⇒ あおのいで
 (例)あおのいでねえってる(仰向きで寝ている)

あかちゃん ⇒ あか
◆あかみ=出産祝い(赤ちゃんを見に行く)

あからさまな強欲 ⇒ あかよく

上がり口 ⇒ あがりっと

呆れるほど ⇒ さんだっぱら
 (例)さんだっぱらさわいだ (呆れるほど騒いだ)

あぐら ⇒ あぐち

あけび(植物) ⇒ あくび

(相手に)あげる ⇒ やる、くれる
  ◆あげようか=やらっか、くれっか、くれずか ◆あげましょう=やらあ
 (例)へえいらんからこれやらあ (もういらないからこれあげるよ)
 (例)こりょおくれらあ(これをあげるよ)

与える ⇒ あてがう
 (例)こりょおあてがっとけ(これを与えておきなさい)

暖かい ⇒ ぬくとい
 *暖かさを強めて言う時は『ぬくてえ』
 (例)ぬくとい手(暖かい手)

暖める / ぬくめる     
 *暖まる=ぬくとまる
 (例)ストーブでておぬくめろし (ストーブで手を暖めなさい)

新しい  ⇒ にいしい                  (対)ふるしい ⇒ 古い
 (例)にいしい服(新しい服)

あたり一面散らかす ⇒ ぶっちらかす、とっちらかす

熱い湯に水を入れる ⇒ うめる
 (例)ふろがあつかったらうめろ(風呂が熱かったら水を入れなさい)

あつかましいヤツ ⇒ いいたま
 (例)あのむすめはいいたまだよ(あの娘はあつかましいよ)

暑苦しい ⇒ あつぼってえ
 (例)あつぼってえからそばえよっちょ(暑苦しいからそばによるな)

集まる / よっちゃばる
  ⇒甲州盆踊の曲『よっちゃばれ音頭』   
 (例)えらいよっちゃばってる(たくさん集まっている)

あとずさり ⇒ あとびっしゃり
 (例)おっかなくてあとびっしゃりする(怖くてあとずさりする)

アザになる ⇒ しぎる.、しんぎれる
 (例)ぶっつけてしぎれた(ぶつけてアザになった)

朝食前の仕事  ⇒ あさづくり

足跡 ⇒ あしっこ

明日が差し迫った状況 ⇒ あすあす
 (例)あすあすにも生まれそう(明日にでも生まれそう)

足長蜂 ⇒ あしっつるし

足の裏 ⇒ あしのひら
 (例)あしのひらあかいい(足の裏がかゆい)

味をしめる ⇒ あじなめる

あそこ ⇒ あこ   (応用) そこ=ほこ
 *あそこ の(そ)が脱落した形。
 (例)あした、あこえいかだあ(明日、あそこへ行こう)

遊ぶ ⇒ あすぶ
 (例)みんなんとあすぶ(皆と遊ぶ)

遊んでいる ⇒ あすんでる
 (例)すなばであすんでる(砂場で遊んでいる)

汗だらけ ⇒ あせみずく

あたし ⇒ あたい   、女の子(をさして言う)
 (例)あたいのもん(私のもの)
 (例)あたいはどこのぼこで?(君はどこの子なの?)

歩く ⇒ あいく    (対) とぶ ⇒ 走る
◆歩いていく=あいってく   ◆歩いているわ=あいってらあ 
 (例)あいたあ、あこおあいってるら(あの人はあそこを歩いているでしょう)

穴 ⇒ あなんぼす
 (例)でっかいあなんぼす(大きい穴)

あなた ⇒ おまん・じぶん
 *問いかける時など「ちょっとじぶん」=ちょっとあなた
 (例)おまんもけ?(あなたもですか?)
 (例)ちょっとじぶん!(ちょっとあなた!)

あの人 ⇒ たいしょう・あのもん    (応用)あの人たち/あのし・あのもんとお
  *たいしょうは男の第3者に対して使う
 (例)たいしょうもへえだめっさ(あの人ももうダメだね)
 (例)あのもんわしわい(あの人はずるい)

あの人たち ⇒ あのし   (応用)この人たち=このし
 (例)あのしはいいだけ?(あの人たちはいいの?) 

あの辺 ⇒ あそこいら   (応用)この辺=ここいら
 (例)あそこいらでやらだあ(あの辺でしよう)

暴れる ⇒ あばける
 (例)だたらあばけてこまる(やたら暴れて困る)

雨だれ ⇒ あまんだれ
 (味が)甘ったるい/あまったらしい

雨の晴れ間 ⇒ あまっせえ

甘える ⇒ あめえる
 (例)あんましあめえちょ(あまり甘えるな)

あまり ⇒ あんまし、あんまり
 (例)あんましねえ(あまりない)

危ない様子 ⇒ あやっかしい、あぶなっかしい

有り合せ ⇒ ありええ
 (例)ありええのめしだけんどけえし(有り合わせのご飯ですが食べなさい)

蟻 ⇒ ありんどう
 (例)ありんどうにくっつかれた(蟻に噛まれた)

有り様 ⇒ ざまく、けんまく
 *比較的良くない有り様の時に用いる
 (例)このざまくでみぐせえじゃん(この有り様で見苦しい)
 (例)みろし!このけんまくを(見なさい!この有り様を)

歩いて行け! ⇒ ありってけ! 、あいってけ! (応用) 走っていけ=とんでけ
 (例)とおくてもありってけし!(遠くても歩いて行きなさい)

あるだけ全部 ⇒ ありしっけ
 (例)ここにありしっけもってけ(ここにあるだけ全部持って行きなさい)

あるものか ⇒ あらすか、あるもねえ
 (例)ほんなこんあらすか(そんなことあるものか)
 (例)ほんなこんあるもねえ(そんなことあるものか)

あのくらい ⇒ あんけえ、あんくれえ   (応用)これくらい=こんけえ
 (例)あんけえのこんできねえこまる(あのくらいのこと出来ないと困る)

 
あれくらいの、あの程度の ⇒ あんつれえ   (応用)これくらいの=こんつれえ
 (例)あんつれえのこんして(あのくらいのことをして)

あれこれと思案する ⇒ あんもんをかく
 (例)すわってあんもんかいててもだめ(座ってあれこれ思案してもダメ)

あれまあ ⇒ れ〜、てっ、でっ
  *使い分けはその場によって瞬時に行う

あれを ⇒ ありょお  (応用)これを=こりょお  それを=ほりょお
 (例)ありょおくりょお(あれをください

慌ててうろたえる ⇒ あばちゃばする
 (例)なにょおあばちゃばしてるだ(何を慌てているんだい)

安心する ⇒ あんきする
 (例)試験が終ってあんきした(試験が終って安心した)

あんなに ⇒ あんねん・あのくに・あんねに  (応用)こんなに=こんねん、このくに、こんねに
 (例)あんねんあっち(あんなに向う)
あ行 い

逆引き甲州弁辞典

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